アンティークの振袖とは一体どんなものなのでしょうか?現代の振袖と、どこがどう違うのでしょうか?ここではアンティークという言葉の定義から、外見上の違いまで、詳しく見て行きましょう !
昔の物を表す表現
アンティーク・ヴィンタージ・レトロなどは、漠然と「古いもの」、「新しいものの対義語」程度の印象をみなさんが持っている曖昧な言葉ですね。厳密な定義がなく感覚的に使われている表現ですが、これらの言葉を使う際には大まかなルールはありますので、ここで少し整理してみましょう。
言葉の意味や用法を考える場合次の2つの観点があります
1、辞書的な意味
2、辞書的意味からやや離れ、習慣的・実際的に使われている意味
この2点を意識的に区別して解釈する必要があります。
アンティークは元はフランス語からの外来語
アンティークは、辞書的には元々フランス語のantique(古代の・古風な・古代美術・骨董品etc.)が英語でも同じスペリングで使われるようになり、日本語では英語の読み方をカタカナ表記しアンティークとなりました。つまり、アンティークという言葉はフランス語から英語を経由した外来語ということになります。「古代の・古風な」と言っても、何を持って「古代の・古風な」と言うのかは特別な決まりはありません。「骨董品」と言っても、それが何を指すのかは全く不明確です。しかし、美術工芸雑貨の世界では一応の慣例は存在しています。
「アンティーク」は法制化されていた?
アメリカが1934年に定めた通称関税法に、アンティークとは「製造されてから100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」との文面があり、アンティークには関税がかからないことが明記されています。そして、この定義がWTO(世界貿易機関)で採用されていて、加盟国間ではこの定義に従って100年以上前に作られたものと証明されれば関税はかからないことになっています。日本を始め、多くの主要国が加盟していますので、製造後100年経過しているかどうかで、アンティークであるかどうかの線引きをするということが世界標準となっています。
Genuine Antique
アンティーク家具とかアンティーク雑貨のように、100年以上経過している美術工芸品の頭にアンティークという文字をつけて表現していますね。しかし、100年以上経過していれば何でもかんでも良いものとは限りません。100年以上経過することで、経年劣化しているものもあれば、価値を失っていない、あるいはより価値を増している物もあり、それらを区別する必要がありますね。価値を失っていないアンティークや、価値を増しているアンティークを、経年劣化してしまっている物と区別するために”genuine(真の・本物の”という言葉をつけて、”genuine antique”と呼ばれることもあります。