このシリーズでは、振袖に関するトリヴィアを紹介させていただく企画です。まず、第一回目は、振袖とは切っても切れない縁の成人式について見てみようと思います。
2023年以降の成人式
2022年(令和4年)、4月1日より、民法が改正され成人に達する年齢が従来の20歳から18歳に改正されました。それに伴い、18歳で選挙権を得るなど、色々な面で変化がありました。成人年齢の変更で最も関心を集めた、と言うか皆さんが気を揉むことになったのは、従来20歳になる歳に行われていた成人式がどの段階で行われるかということでした。主催する自治体は、大変に難しい問題を突き付けられてしまいました。もし、18歳が成人年齢だからと言って、成人式に18歳になった新成人を対象にすれば、色んな問題が発生することが容易に予想されました。18歳と言えば、高校生が自分の将来に大きく影響する大学受験の時期と重なってしまいます。成人式はお祝い事ですから、進路も決まっていない時に、あるいは進路活動真っ最中の時に、振袖を着てお祝いをするような気分になれない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、高校を卒業と同時に就職される方が、20歳の成人式の振袖を自分の給料から充てることも多かったようで、18歳成人式ではそれができなくなってしまいます。
多摩地区最大の市である八王子市を始め、多くの自治体では市民の方がこの件に関してどのように考えておられるか、アンケートを取ったようです。アンケート結果は、どの自治体もほとんど同じ結果だったようです。対象になりそうな18~20歳の新成人の方もそのご両親も、従来通りの20歳の方を対象とした成人式を望んでいたようです。そのアンケート結果にも配慮し、各自治体は結論を出しました。