振袖姿に身を包んだ女性が、成人式や結婚式に、あるいは大事な儀式などに出席する優雅な姿は、何とも言えない日本の良き伝統文化の香りが漂います。女性の第一礼装であり、最も華やかな服装である振袖姿は、周囲の目を引き思わず見入ってしまいます。しかし、いざ自分が振袖を着る機会があり、数ある選択肢の中から一着を選ばなければならないということになると、かなり迷ってしまいますね。自分の好みとは別に、振袖を選ぶ際にある、程度の予備知識があった方がより良い選択ができますね。
振袖選びの6つのヒント
1 振袖の”格”で選ぶ
2 料金で選ぶ
3 色や柄の好みで選ぶ
4 サービス内容で選ぶ
5 後悔しない振袖選び
6 様々な特典で選ぶ
以上の6つの観点で振袖を選ぶ際のヒントを見て行きましょう!
1 振袖の”格”で選ぶ
美的感覚は突然変異を起こす
科学などは、時間と共に新しいことが発見されたり開発されたり、それまでのものに新しいものが積み重ねられて行くことで、少しずつ前進して行くような分野ですね。しかし、美的感覚やファッション感覚は、時間と共に進化(進歩)して行くというものではありま せん。時間と共に前進することもあれば、時間と共に後退してしまうこともあります。また、少しずつ変化するというより、何かのきっかけである日突然に大きく前進したり、大きく後退したりしてしまう、そんなことも起こり得る分野です。
明治時代は振袖をリユースしていた
明治時代は、江戸時代の旧体制から抜け出し近代社会を目指していた時代でしたが、まだまだ社会全体では物資が乏しく、華やかな振袖を楽しめる人の層は一部の裕福な家のお嬢様に限られていました。 そのような事情から、明治時代の振袖には特徴がありました。結婚をして振袖を着ることができなくなった 場合、長い袖を詰めて(短くして)、留袖として再利用しました。明治時代の振袖は、デザインする段階で行く行くは留袖として仕立て直されることを念頭に置かれていました。留袖は、帯より下の 部分に模様がありますが、帯より上の部分は無地という決まり事があります。そのような理由から、明治時代の振袖は、上半身が無地か全体に均一の小紋のような模様のものに限られていました。また、留袖に作り替えられてしまったため、明治時代の振袖はほとんど残っていません。因みに、袖の長さを詰めて(切って)短くしたのですが、”詰め袖”や”切り袖”では何となく縁起が悪いので、長さを止めた”留袖”と呼ぶようになりました。