明治時代の振袖
令和の現代から少し時代を遡って明治時代ファッション感覚について少し考えてみましょう!
幕末の動乱期を経て明治維新を成すことで、日本は国策として西洋型の近代化を目指すことを国内外に宣言しました。その過程では、日本国民全体が大変な努力を払ったことでしょう。ファッション面で見ると、西洋の洋服が入って来たために、それ以前にはなかった華やいだ装いを楽しむことがでるようになりした。しかし、それは裕福な上流階級の人たちの話で、一般庶民の生活は大変でした。一番大きな変化は、江戸時代には税をお金で払うことはなかったのですが、明治時代になると税をお金で納めなくてはならなくなり、それを捻出するだけでも大変でした。振袖にスポットを当てると、国全体が近代国家つくりを目指す方に関心や力が向けられる時代だったので、江戸時代の中後期に流行した袖の長さを競うような現象は無くなりました。未婚の女性が振袖を楽しむことはなくなりませんでしたが、振袖を遠慮なく着ることができる年齢は限られていたので、その時期が過ぎてからのことを考慮しながら振袖の柄を描いていました。つまり、結婚したり振袖を着るのは少し気が引けるような年齢の時期になったりした際に、振袖をそのままにしておくのは勿体ないということで、留袖に転用することを考えました。振袖の長い袖を短くし、留袖として仕立て直すことでせっかく仕立てた振袖を無駄にせず再利用した訳です。この習慣は、次の大正時代には少しづつ変化がみられるようになりました。